”Green Bats"
F/A-22 Raptor
YF-22とYF-23が将来戦闘機の候補として比較検討されている頃、はっきり言ってどちらも美しいとは言い難い形状で、余り好きになれない戦闘機だった。YF-22のほうがまだ従来の戦闘機の形状を継承しているように見えたので、F-22採用決定の時は少し安心したが、これから先こんな形状の飛行機しか撮れないのかと思うと憂つな気分だった。しかし、ステルス技術の発展は目覚しく、すっかりF-15やF-16を過去の戦闘機にしてしまったから凄い。エルメンドルフAFBでF-22の飛行を見てから更にこの戦闘機の凄さを実感するようになった。未だこれからの機体であるが最近の写真から紹介していこう。(2007/2/20)
タキシングするF-22を斜め正面から撮影した写真だが、ラプターも正面から見るとかなり魅力的な形状だ。ステルス機の特徴である胴体上部と下部の境が鳥の口ばしのような所から、猛禽と言うネーミングも頷ける。私的には、ジュラ紀の翼竜プテラノドンに似ていると思うのだが・・・
F-22Aのタキシング姿の写真で、F-22が真横から見ると如何にも不細工な形状であるか(個人的見解) 分かりますか?写真を撮るなら少し手前か送り気味のほうが、まだ絵になります。真横からレーダー波を当てた場合、まっすぐ反射する面が殆ど無いように 機体のあらゆる部分に傾斜がかかっている。
馬鹿でかい推力を持つ2つの新型エンジンと可変式のノズルによって、この機体は従来の戦闘機では考えられないような曲技飛行も可能である。主翼はしんなり外側にしなっているような形状。塗装はレーダー反射を抑えた特殊塗料を使っているので、従来の戦闘機のような派手なマーキングが登場することは少ないと想像する。それを考えても写真撮影に悲観的になってしまう。
デモフライトの為 テイクオフしたF-22。この後、急上昇したかと思いきや地上2〜300メートルの所で迎え角60度程度の姿勢のままで空中停止、垂直離着陸機ハリアーのようにじっと空中に浮いていた。そして機首を下げて水平になるや、推力を上げてゆっくり前進である。普通の飛行機なら、この時点で浮力を失って失速であるが、こいつは機体を水平に保ったまま殆ど速度も無いのに浮いている。可変ノズルと馬鹿デカイ推力のエンジンが成せる業である。デモフライトの間中、飛行機らしかなぬ奇異な飛び方ばかりしていたので、最後に行った普通のローパスが反って新鮮に感じられた。
地上展示されたF-22(OT-015)、ともに第422試験飛行評価隊の所属である。エグリンの第53航空団の傘下にあるが、本拠地はネリス空軍基地でそこに常駐している。
ラプターの胴体左右にある兵装庫・増装タンクやミサイルのラックなどがレーダー波をよく反射することから極力ミサイルも胴体に収容し、必要な時だけ短い時間でミサイルを放出しようと言う思想から設計されている。2007年に嘉手納を訪れたF-22は、着陸時に此処を開けたままで降りているが、普段ではありえないことだろう。増装タンクも長距離展開する際だけで、戦闘時はレーダー波の反射を避ける為に装着しないのが原則らしい。
↑ エドワーズ空軍基地の空軍飛行テストセンター412th TW 411th FLTS所属のF-22A(96-4002)。試作YF-22Aも含めると通算7号機となる機体であるが 実際に空軍テストセンターに引き渡され本格的な運用テストを始めた最初のF-22Aに相当する。
飛行機らしからぬ変な飛び方をするF-22は、特にデモ飛行の際F-15などに比べベーパーが出やすい。湿度が高いと、飛行中ずっとベーパーが機体にまとわり付いているように感じる。バージニア州ラングレー空軍基地の1st FWに継いで、アラスカに配備されるF-22の1号機(AK05-087)は2007年2月12日にロールアウトしており、愈々PACAFもF-22の時代に突入した。(2007/7/8)
(Aug,2006
2019年11月ネリスに展示されたF-22A 04-4068 (Block-20)。以前はラングレーの94th FSにいた機体である。
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(2006)
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